アスファルトシングル

屋根葺き替え

屋根材のアスファルトシングルは複雑な屋根形状の葺き替えに超オススメ!

近年、低コストで施工できることから屋根業者からも注目されている屋根材『アスファルトシングル』。

  • アスファルトシングルに葺き替えしようか迷ってるけど正直どうなの?
  • メンテナンスは難しい?
  • アスファルトシングルの葺き替え費用って高い?
  • 工事日数はどれくらい?
  • アスファルトシングルのメリットやデメリットは?

このようなアスファルトシングルについての疑問について詳しく解説していきます。

僕は20年以上屋根のプロとして、アスファルトシングルの施工を数え切れないほどしていきました。

なので正直僕は、アスファルトシングルについて分からないことはありません。

とはいえアスファルトシングルは、一般人にはあまり聞かない名前ですし、どのような屋根材なのか理解している人が少ないのが現状です。

屋根材といえば瓦とかカラーベストなんかが一般的で、アスファルトシングルは確かにあまり聞かない屋根材だね。

この記事は、アスファルトシングルについてや葺き替えを検討しているあなたに向けて屋根のプロである僕が優しく解説しています。

メリットもデメリットも解説しているよ!

アスファルトシングルという屋根材について

アスファルトシングルの家

アスファルトシングルってあまり聞きなれない屋根材ですが、一言で言うと

アスファルトシングルは、複雑な屋根形状でも使用できて尚且つ性能も優秀で丈夫な超万能屋根材

という優秀な屋根材なんです。

瓦などのように硬いものではなく、シート状のもので表面を砂粒を吹き付けている(塗装している)屋根材で、どんな屋根形状でも施工可能な屋根材と思ってもらって構いません。

アスファルトシングルは、勾配が緩すぎる屋根には施工できません。(2寸5分勾配より緩い勾配は基本的に施工できない)

屋根の勾配だけ対応していれば、ほとんどの屋根で扱えるよ!

アスファルトシングルは、北欧など海外でのシェア率が高く100年以上の歴史がある屋根材で日本でも洋風の家などに使用されることが多い屋根材です。

またその費用面からも家以外にもマンションなどの大きな物件にも近年多く扱われています

アスファルトシングルのメリット

アスファルトシングルの家

アスファルトシングルがいい理由ですが主に6つあります。

アスファルトシングルならではのメリットがあるんだ!

アスファルトシングルのメリット

  • 非常に柔らかい素材だから複雑な屋根の構造でも対応できる
  • 柔らかい素材だから割れなどがない
  • 石粒をつけて塗装しているから表面に傷がつきにくい
  • 薄く軽量なので耐震性が弱い家でも使える
  • カバー工法ができる
  • 金属製の屋根材ではないから錆などが発生しない

1つずつ説明していきます。

アスファルトシングルは柔らかい素材でできている屋根材

アスファルトシングルは瓦のような硬い物ではなく、シート状で表面を塗装している屋根材です。

ぐにゃぐにゃ曲がるんだ!

この性質から、屋根に這わすことができて複雑な屋根の形状でもしっかりと施工することができます。

また複雑な屋根形状でもあまり施工難易度が変わらないのもアスファルトシングルのメリットの1つと言えます。

柔らかい素材ゆえに割れという破損がない

他の屋根材は、物が当たって破損することがありますが、アスファルトシングルはその心配がありません。

理由はシート状で柔らかいからです!

薄いし柔らかいから割れる要素がないんだ!

これは、『近年の強力な台風などによって物が飛んできて破損』なんてことが起きないので、台風時でも破損の心配をしなくて済みます。

アスファルトシングルは石粒つきの塗装をしているから傷がつきにくい

アスファルトシングルは、表面を石粒をつけて塗装している屋根材です。

要は小さな石が無数についている屋根材で、金属屋根のようにツルツルしていません。

この石粒のおかげで傷が非常につきにくい性質があって、ずっと綺麗な状態を保つことができます。

表面がザラザラしているから、傷がついたとしても目立ちにくいんだ!

薄いし軽量なので重さによる不安がある家でも使用できる屋根材

アスファルトシングルは非常に薄くて軽量な屋根材です。

なので例えば畳1枚分の瓦とアスファルトシングルの重さの差が少しだったとしても、屋根全体となるとかなりの重量の差になってきます。

中には100kg単位の差になることもあるんだよ!

古い家など耐震補強があまりされていない建物でも安心して使用することができるのが特徴です。

カバー工法ができる屋根材

カバー工法とは、古い屋根材の上から新しい屋根材を施工することを言います。

カバー工法は古い屋根材を撤去する工程を省くことができるんだ。

カバー工法ができることによって葺き替え時に余分なコストを抑えることができて、葺き替えする際に自分にとってベストな選択をしやすくなります。

カバー工法は工事日数も大幅に短縮できてオススメだよ。

金属製ではないから錆が発生することもない

アスファルトシングルは、いっさい金属物質を使用していません。

なので『さび』による劣化が起こることもないのです。

万が一アスファルトシングルに傷がついても錆びる心配がないから安心!!

アスファルトシングルは、丈夫ゆえに細かいことをあまり神経質にならなくていい使い勝手のいい屋根材なのです。

アスファルトシングルのデメリットについて

アスファルトシングルは、上記で説明してきた通りメリットが非常に多い超優秀な屋根材だと理解できたと思います。

とはいえ正直な話、『メリットしかない!』という訳ではありません。

デメリットも存在します。

メリットもデメリットも理解することが大事!

アスファルトシングルのデメリット

アスファルトシングルにとって代表的なデメリットについて説明します。

とりあえず、まとめるとこんな感じ!!

アスファルトシングルのデメリット

  • 薄い素材のため台風などの強風で剥がれや破れが起こることも
  • 塗膜が劣化すると石粒が剥がれてくる
  • 経年劣化が他の屋根材よりも早い

少し噛み砕いて説明します。

アスファルトシングルは剥がれたり破れたりすることがある

アスファルトシングルは、割れが起こらない代わりに薄い素材のため破れが起こることがあります。

台風などの強風で破れて飛んでいってしまうことがあるんだ!

また、アスファルトシングルは基本的に接着剤などで固定しているので接着が弱いと剥がれることもあります。

アスファルトシングルで長期保つためには、施工する業者の実力が問われる

ことが多いです。

アスファルトシングルの塗膜が劣化すると石粒が剥がれてくる

アスファルトシングルは表面を石粒をつけて塗装していると先程説明しました。

この表面の塗膜が劣化してくると、石粒が剥がれてきてしまう現象が起こります。

屋根全体だからすごい量の石粒が剥がれてくるんだ!

この現象の何がいけないかというと、大量の石粒が雨樋の中で蓄積していって雨樋を詰まらせてしまうのです。

また水分も多く含むので雨樋が重くなり勾配にも影響が出てきたり割れなどの破損に繋がることもあります。

経年劣化が他の屋根材よりも早い

アスファルトシングルは、厚さ6ミリ程度の非常に薄い屋根材です。

その上、表面仕上げを塗装しているので、どうしても塗膜が劣化してしまいます。

1度劣化してくると、アスファルトシングル自体の耐久も本体の薄さゆえに劣化スピードが非常に早いです。

劣化すると、簡単に破けたり剥がれたりしてしまうんだ!

アスファルトシングルの葺き替えについて

アスファルトシングルの屋根

アスファルトシングルの葺き替え方法は、2つのパターンがあります。

アスファルトシングルの葺き替え

  • 古い屋根材を撤去した後に葺き替えする
  • カバー工法による葺き替え

アスファルトシングルは薄い屋根材で屋根の面と密着した屋根材のため、屋根の面をなるべく平にする必要があるから下地処理がかなり重要な工程になります。

例えば瓦屋根だと桟(瓦を引っ掛ける木材)などがあって瓦を捲っただけでは『屋根の面は平』という訳ではないんだ!

古い屋根材を撤去後アスファルトシングルの葺き替え

アスファルトシングルは薄い屋根材のため、抜き忘れた釘1つでもあってはいけません。

古い屋根材を撤去後、まずはアスファルトシングルが施工可能な屋根の状態にする必要があります。

具体的には

  • 抜き忘れの釘やビスの撤去
  • 折れ曲がった古い防水シートの除去や破れて中に入りこんだ土などを取り除く
  • 合板を屋根全体に貼ってから防水シートも貼る

これらをすることでアスファルトシングルが施工可能な屋根になります。

どの屋根材の葺き替えでも大体一緒だけど、アスファルトシングルは特に気をつけたほうがいい屋根材なんだ!

合板を貼って防水シートの施工が終わると、いよいよアスファルトシングルを屋根に固定していきます。

ここからは非常にシンプルな工程で、シート状のアスファルトシングルを接着剤などで固定していきます。

後は、屋根材を重ねながら屋根の頂上まで固定していけば終わりです。

ちなみに工事日数は、20坪の家で3〜4日ぐらいになります。

慣れている職人なら1日〜2日ぐらいで終わることもあるんだ!

カバー工法による葺き替え

古い屋根材を撤去しても屋根の下地が非常に状態がいい場合があって、その場合、下地処理をしないで古い屋根材の上から直接屋根材を葺き替える場合があります。

この施工方法を、【カバー工法】と言います。

カバー工法は、古い屋根材の撤去代がかかりません。

屋根材が2重になるから、雨漏りのリスクはかなり軽減されるんだ。

カバー工法は単純に屋根材が2つのなるので、重くなるから家の耐震などの耐久性を考慮する必要があります。

アスファルトシングルは、下地調整が終わるとその後の工程は非常に単純な作業になります。

カバー工法の流れ

  • 古い屋根材の極端な段差になる部分を撤去する
    • 頂上の金属板や壁と接している加工された金属板など
  • 古い屋根材の上から防水シートを貼る
    • 防水シートの裏がテープになっている
  • アスファルトシングルを貼っていく
    • 普通の工程で仕上げていく

カバー工法は、古い屋根材の撤去を省いた合理的な施工方法で、金額も通常よりも割安で工事できます。

とはいえ注意点もあるのは事実で、カバー工法は、木材や柱などがしっかりしていることが前提になっています。

例えば、1部分の箇所で雨漏りしていて木材が腐りかけていたとしても、気づかずにカバー工法してしまう可能性があるのです。

注意しないと、屋根を支える木材自体が耐久が無くなったまま!っていうこともありえるんだ!

基本的に古い屋根材を撤去しないと中の柱などは見えないため、『大丈夫だろう!』という不確定な要素で工事が進むおそれがあるので注意が必要なんです。

屋根の状態を100%把握した状態で葺き替えしたいなら、古い屋根材は撤去した方が無難だよ。

アスファルトシングルの葺き替え費用について

アスファルトシングルの葺き替えは、基本的に他の屋根材よりも安く工事することができます。

というか屋根材の中で1番安い!と言っても過言ではありません。

見積もり取ってみると、カラーベストより安い場合が多いんだ!

アスファルトシングルのメーカーや屋根材のランクによっても変わってくるので、あくまで一般的によく使用されるアスファルトシングルを基準としています。

アスファルトシングルが葺き替えに向いている理由

これは、アスファルトシングルの施工金額が大きく関わってくるのですが

屋根の葺き替えには、100万単位の高額な施工費用がかかることが多いですが、中には様々な理由で家にあまりお金をかけたくない人もいます。

例えばこんな人

  • 次は建て替えと決めているから、今は屋根の役目を果たしてくれたらいい
  • 金銭的な理由で屋根にあまりお金をかけられない

家を建て替えるのを決めている人は、葺き替えにアスファルトシングルを選択することはメリットがあります。

築年数が経っている家は、建て替えを検討している人が多いから余分な修理は、したくない人が多い印象だね。

修理する箇所によっては、部分修理と葺き替えの値段があまり変わりないことがあります。

例えばこんな場合

  • 複数の箇所が雨漏りしている場合
  • 屋根全体的に劣化が見られる場合
  • 修理しても再発する可能性が高い場合
  • 屋根の状態が悪すぎて一時凌ぎしかならない場合

このような場合、葺き替えと修理の値段がそんなに変わらないことがあります。

もしくは何回も雨漏りなどが再発して複数回修理しないといけない場合は、修理費用の合計を足すと葺き替え金額に迫ることもあるので、注意が必要なのです。

修理と葺き替えが値段の違いがあまりないなら、屋根全部を確認できる葺き替えの方がお得ってなるよね!

葺き替えする家は、基本的に築年数が30年以上経っている家が多いため、部分修理するぐらいなら安いアスファルトシングルの葺き替えをしてしまった方が結果として安く済む!ということになるのでコスト面から見てアスファルトシングルは葺き替えに向いている屋根材といえます。

アスファルトシングルのメンテナンス方法

アスファルトシングルのメンテナンス方法は、基本的に【屋根塗装】になります。

どのぐらいの期間で塗装を考えないといけないのか?ですが、大体10年を基準に考え始めるのが一般的です。

アスファルトシングルは、他の屋根材と比べて劣化スピードが速いので早めの処置が必要になってくるんですよね。

劣化しすぎてしまうと、塗装してもあまり効果が得られないことがあるんだ!

10年以上の放置は、著しく屋根が劣化していくので他の屋根材よりもメンテナンスを真剣に考えないといけない屋根材といえます!

アスファルトシングルを施工してきて思うこと

アスファルトシングルの切妻の家

ここまでアスファルトシングルについて解説してきました。

僕は、20年以上屋根工事の経験を持つ職人で、アスファルトシングルの葺き替えや修理も数えきれないほど工事してきています。

たくさん工事をしてきて僕が思うことは、屋根の破損や劣化具合が屋根の3分の1以上ある家はアスファルトシングルの葺き替えは、かなり良い選択だと思っています。

理由は、問題が起こる度に修理していると葺き替え以上の金額がかかることがある!ということです。

例えばこんな家

  • 何回も雨漏り修理している家
  • 台風がくる度に、屋根材が飛んだりズレたりする

このような家は、葺き替えとあまり変わらない金額を払っている場合が多いです。

屋根の修理費用も箇所によっては高額になるんだ。

僕は、このような家こそアスファルトシングルの葺き替えすべき!と思っています。

他の屋根材より工事金額の安いアスファルトシングルは、ある意味【修理感覚】で葺き替えできる!優秀な屋根材なのです。

何回も修理するぐらいなら葺き替え1回で終わらせるってことだね!

また近年のアスファルトシングルは、デザインもよく、オシャレ感も十分にある屋根材で決して安っぽく見えない優秀さもあります。

屋根の状況によっては、アスファルトシングルの葺き替えはコスト的にも非常にお得なものになっているので、ぜひアスファルトシングルの葺き替えを考えてみてください。

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