マイホームや物件を持つと所有者が必ずしなければならないことがあります。
それは屋根のメンテナンスです。
ですが大抵の人は、あまりメンテナンスの重要性を理解している人はいません。
その理由は次の3つにあります。
- 高いから屋根が見えない
- 屋根に興味がない
- 屋根は生涯持つと思っている
今読んでる人も、この3つのどれかに当てはまる人が、いるのではないかと思います。
ですが屋根はメンテナンスを怠ると、取り返しのつかないことになるので注意が必要なのです。
題名でも『絶対』と強い口調で言っていますが、それぐらい大事なことを今から説明していきます。
僕は、屋根の工事を20年以上、5000件を超える現場をこなしてきました。
メンテナンスを怠った家の悲惨な末路をこれまで何度も見てきました。
その長い経験から、メンテナンスの重要性を僕は、特に理解しています。
この記事では、屋根のメンテナンスについてと、しなければならない理由を詳しく解説していきます。
【結論】屋根はメンテナンスを怠ると家が潰れる可能性がある
最初に結論を言っておくと
結論
屋根はメンテナンスを怠ると、屋根としての本来の機能を保つことが出来なくなります。
屋根は本来、家を守るために存在していて、その屋根を守るために屋根材が存在します。
定期的に屋根材をチェック(メンテナンス)しないと屋根は、屋根としての機能を果たすことができないのです。
屋根のメンテナンスは、長期間、屋根をもたせる中で1番大事な工程となります。
屋根は、長年の雨風や台風などで劣化して傷んでいきます。
また、メンテナンスの時期についても注意が必要です。
メンテナンスの時期があまりにも遅いと、屋根材や屋根自体が劣化し過ぎてしまっていることが多いです。
劣化し過ぎた屋根材では修繕してもあまり意味がない場合が多く、一回の台風で破損や雨漏りしてしまうことも少なくありません。
屋根の劣化は、家自体の耐久に大きく影響します。
そして屋根のメンテナンスを怠ると最悪、家が潰れることも覚悟しないといけないこともあるのです。
屋根のメンテナンスをする理由【全ての屋根材に共通すること】
今から屋根のメンテナンスについて詳しく解説していくのですが、その前に『屋根』について説明しておきますね!
僕の知る限り、意外と皆さん屋根について説明してください!とお願いすると、できない人が多いと思います。
僕も、お客様によく屋根ついて説明できますか?とよく質問していますが、まともな答えが返ってきた経験があまりありません。
実は『屋根』について説明できないことが、屋根のメンテナンスを遅らせてしまったり、家に重大な被害が起こったりする原因となっているのです。
その理由はズバリこれです。
屋根にそもそも関心がないので、屋根の必要性も重要性も全く理解できていないから
そもそも屋根の必要性を理解していないのに、メンテナンスまで意識がいくことがあり得ないんですよね。
屋根についての理解を深めていくと、メンテナンスの重要性が理解できて、定期的にメンテナンスするような思考になっていきます。
そもそも屋根ってなに?
前置きが長くなりまりましたが、屋根について説明します。
屋根とは?
屋根は家にとって最も重要な部分となり、具体的にはこのようなことから家を守ります。
屋根の働き
- 雨風から家を守る
- 暑さや寒さから家を守る
- 紫外線から家を防守る
- 強風で飛んでくる物体から家を守る
また屋根は、環境面で1番過酷な条件下に置かれている部分でもあります。
これらのことからも屋根の重要性が分かりますよね。
雨風による湿気や紫外線は特に屋根にとって天敵で、時間をかけてゆっくり屋根材は、劣化していきます。
屋根は、劣化すると家自体の耐久に大きく影響します。
現代の家でも屋根が崩れたりするのは、決して他人事ではないですよ。
要するに、屋根が劣化すると家として成り立たないということです。
このことから屋根は、家の中で1番大事な部分だと認識してもらって構いません。
屋根材ってどのようなものがあるの?
この記事で説明している屋根材についても簡単に解説しておきます。
一般住宅においての屋根材とは、次のこれらのことを指しています。
屋根材の種類
- 瓦(和型、洋瓦、セメント瓦、燻、釉薬など)
- カラーベスト(コロニアルなど)
- 金属瓦(ガルバニウムなど)
- シングル(アスファルトシングルなど)
どの家でも必ず上記のどれかに当てはまります。
屋根が屋上の場合は、屋根材ではなく屋根防水となり、また違う業種となります。
ちなみに、ここ10年ぐらいはカラーベストとガルバニウムの普及率が、かなり高くなっています。
屋根を定期的にメンテナンスする理由
屋根について解説してきましたが、本題の屋根をメンテナンスする理由について解説していきます。
屋根をメンテナンスしないと、屋根として本来の機能を保つことができなくなる!と最初の結論でも言いました。
では屋根のメンテナンスをしないで劣化していくと、どうなっていくのでしょうか?
それは、次のようなことが起こります。
屋根の劣化によって起こること
- 瓦がズレてくる
- 屋根材にヒビが入る
- 土が流れて棟が崩れる
- 錆びて穴が開く
- 屋根材や周辺の部材が割れる
- 粉状に腐食してくる
- 塗料が剥げる
これらのことが屋根を放置し続けると実際に起こってくる現象です。
そして最終的に
- 雨漏り
- 柱の腐り
- 部屋がかびる
- 強風で屋根材が飛ぶ
- 屋根が崩れる
などの症状を引き起こします。
屋根を覆う屋根材は、これら全ての症状を防ぐために屋根に敷かれています。
要は、家自体の耐久性を維持するために屋根があり、屋根材があるということで
メンテナンスは、その状態を維持し続ける!ということなんです。
でも人によっては、メンテナンスっていうけど現状何もなっていないし、新築時に新品の屋根材入れたんだから問題ないでしょ?と思う人も多いと思います。
ですがこの考えは、間違っています。
ポイント
屋根材も含めて全ての建材は、生涯メンテナンスしなくていい物は、残念ながらありません。
全ての屋根材が何らかのメンテナンスが必ず必要になります。
そして、メンテナンスは使用している屋根材によってメンテナンス時期が異なります。
屋根材は、劣化してくると防水性能や紫外線予防などの性能がなくなってきて、ひどくなると雨水を吸うようになり紫外線によって劣化して粉状になったりします。
屋根のメンテナンスとは、屋根材の性能が失われる前に修繕して本来の屋根材の性能を発揮し続けるようにすることをいいます。
屋根材があまりにも劣化していると、屋根材が薄くなったりして修繕すらできないこともあります。
分かりやすく言うと、手で押すだけで割れたりします。
このような屋根材は、耐久性がほとんどないので、メンテナンスしてもあまり効果が得られないことがほとんどです。
割れてたり、ヒビの入っている屋根材に塗料を塗っても意味がないのと同じことです。
大事なことなのでもう一回言いますね。
重要ポイント
屋根のメンテナンスをする理由は、屋根材の性能が失われる前に修繕して本来の屋根材の性能を発揮できるようにすることです。
また、メンテナンスは適切な時期にする必要があり、長年放置しすぎるとメンテナンスしても効果がない状態となってしまいます。
屋根材は、メンテナンスを定期的にすることを前提に作られているので、メンテナンスは必ずしなければならない工程の1つなのです。
実際に屋根のメンテナンス工事をしてきて貴重な経験をしてきた
僕は屋根職人として20年以上、5000件を超える物件を修理してきました。
結構長い年数の中で、メンテナンスを怠って実際に崩れた家や、雨漏りによって立て替えた家などたくさん見てきました。
逆に、定期的にメンテナンスしている屋根は、何十年も何事もなく過ごせているのも見てきています。
いくつか僕が経験した例を挙げます。
強風で崩れた屋根
30年間、一回もメンテナンスしていない屋根瓦の家ですが、台風によって棟が完全に崩れてしまいました。
実は、この家は何回か違う仕事でお客様とは、面識がありました。
当時から屋根の診断をして心配していて、何度か『違う業者でもいいから修繕した方がいいよ!』と言ってきましたが、結局メンテナンスせずに放置していました。
そして、強烈な台風21号で棟が崩れてしまいました。
雨漏りもひどく、お客様の顔を見ると、声をかけるのも正直辛かったのを今でも覚えています。
メンテナンスを怠ると、ある日突然に大問題になることがあるので、やはり診断やメンテナンスは未然に防ぐことのできる唯一の方法なんです。
長年の雨漏りで腐った柱
この家は40年ほど一回も屋根のメンテナンスをしていないのですが、別件で工事に来ていました。
工事中、家が傾いているのに気づいて屋根をチェックしてみると重度の雨漏りしていました。
ポイント
ですが、家の中には雨漏りしておらず家の人も全く気づいていなかったのです。
壁を少し壊してみると、水が出てきて柱の方に水が回っていました。
柱は所々腐っていて折れる寸前の柱もあったのですが、鉄骨で補強して現状維持してもらうことにしました。
ここで注意してほしいのが、長年雨漏りしているのに家の中に症状が出ていない!っということです。
このように雨漏りは、室内ではなく見えない柱の方に流れることもあるのです。
柱の方に水が回ると、かなり長期間気づきにくいので、わかった時には手遅れのパターンがかなり多いです。
これも定期的にメンテナンスしておくと、このようなことになっていない可能性はかなり高いです。
屋根のメンテナンスをしていない家と、している家の違い
屋根のメンテナンスをしている家と、していない家では年数が経つと明らかに家の状態が変わってきます。
僕は職業上いろんな屋根を修理してきていますが、メンテナンスを定期的にしている屋根が飛ばされたり雨漏りしたりなど、ほとんど記憶にありません。
むしろ限りなく0に近いと思っています。
これは僕が実際に現場に入っていて、いつも思うことですが台風や強風で屋根が飛ばされて甚大な被害になる家は、一回もメンテナンスしていない家がほとんどです。
なぜこのようなことが言えるのかというと
ポイント
僕が今まで5000件を超える屋根の修理やメンテナンスをしてきて強風で飛んだり、すぐに雨漏りしたりなど今まで1件もないからです。
確かに細かなクレームなどは今までありましたが、僕が工事した屋根は全て台風が直撃でも何ともなっていないのです。
屋根のメンテナンスは、主に次のことをチェックして問題があれば修繕します。
- 瓦のズレを元に戻して動かないように固定する
- 劣化した漆喰やコーキングを新しくやり直す
- ビスや釘の緩みがないか全て確認する
- 錆びなどがある金属部を塗装する
- 屋根材の裏に水が回ってないか確認する
- 割れていたり破損している屋根材がないか確認する
屋根は10年〜20年ぐらい経つと、いずれかの問題が出てきます。
屋根材は、年数が経つと劣化してその性能を発揮できなくなり、そして家の耐久性に大きく関係していきます。
僕は、工事が終わった後にいつもお客様にアンケートをとっていて、その中の項目にメンテナンスの頻度があります。
どれぐらい屋根について関心があるか探る目的でしていたのですが、結構衝撃を受けましたね。
大体150世帯ほどのデータになりますが、それでもいかに屋根についてどのように思っているかが分かるデータになっています。
メンテナンスしたことない人と30年に1度メンテナンスした人が全体の8割という結果でした。
ほとんどがメンテナンスしない!っということで、あまりにも屋根に関心が無さすぎてびっくりしました。
ポイント
このグラフから、家の中に雨漏りしたり瓦が飛ばされたりしない限り、修繕しないことが分かります。
何かが起こるまで修繕しないので、メンテナンスまで意識がいっていないことが分かりますよね。
僕は、これが最近の強烈な台風やゲリラ豪雨に地震などで、甚大な被害が起こる原因だと思っています。
断言しますが屋根のメンテナンスを定期的にしていると、地震や台風などの災害で、問題が起こることはありません。
理由は、僕が20年やってきて1度もないからです。
この記事を読んで是非、屋根のメンテナンスの重要性を知ってもらいたいです。
【まとめ】屋根に使う屋根材は、メンテナンスをする前提で作られている
ここまで、屋根のメンテナンスについて解説してきましたが、これは僕の20年以上の経験によるものです。
僕は、メンテナンスしたことない家も、定期的にしている家も両方とも多くの家を工事してきました。
なので僕の言っていることは、ある程度の説得力があると思っています。
屋根に使う屋根材は、最初からメーカーもメンテナンスする前提で作っています。
現状、メンテナンスを必要としない屋根材は開発されていません。
いかに材質が強くても、それを止めているビスや釘などは別の材質ですし、それに地震などで緩んでくる可能性もあるからです。
屋根材事態の耐久性と、それを支える他の建材や緩みなど、両方が備わっていないとメンテナンスが必要ではないと言えないからです。
最後に、この記事で重要なポイントをまとめてみました。
まとめ重要ポイント
- 定期的にメンテナンスしている屋根は、災害とは無縁
- 災害で被害に遭う屋根はメンテナンスをしてない家がほとんど
- メンテナンスは、時期が大事
- 屋根のメンテナンスを甘く見ていると、屋根が潰れる可能性もある
- 屋根のメンテナンスとは、屋根材の性能が失われる前に修繕して本来の屋根材の性能を発揮し続けるためにする工程
屋根のメンテナンスは、必ずしなければならない工事です。
1度、自分の屋根のことを思い出してみて、メンテナンスについて考えてみてください。