台風や強風などで、瓦屋根が崩れたりする家がありますよね。
『瓦屋根は強風でよく飛ぶ!』
と、よくネットやニュースで見かけますが、断じてそんなことはありません。
実は瓦も含めて全ての屋根材は、正しく施工をして屋根材としての性能を発揮しているのであれば災害でも被害に遭うことは、ほとんどありません。
では、なぜ被害にあった家が多いのか?ですが
その1番の理由が定期的な屋根のメンテナンスをしていないことが挙げられます。
そして瓦屋根のメンテナンスの中で特に重要なのが漆喰部分の補修で、実はほとんど人が漆喰の重要性について分かっていません。
瓦屋根の漆喰は、非常に重要な部分なんだ!
この記事では20年以上、屋根職人として数多くの現場を施工してきた僕が、漆喰の重要性と放置するリスクについて解説していきます。
特に、下記に当てはまる人は是非読んでください。
屋根の漆喰について
- 漆喰工事を屋根業者に営業されて、急に気になって心配になった人
- 漆喰が剥がれていて前から気になっていた人
- 屋根を見てあまりにも漆喰が汚くて気になっていた人
- 雨漏りがしているけど、漆喰が関係しているのか知りたい人
- 屋根が崩れそうな家を見たけど、漆喰が関係しているのか知りたい人
- 瓦屋根のメンテナンスって何するのか分からない人
このような不安や疑問を現役の屋根職人の僕が、詳しく解説していきます。
この記事を読んだあなたは、漆喰や屋根についての意識を高められて、メンテナンスの重要性を知ることができます。
【結論】屋根の漆喰は長期放置すると最悪屋根が崩れることもある
屋根の漆喰を長期放置すると、どうなるのか結論を先に言っておきます。
漆喰を放置すると、棟(むね)が崩れて、雨漏りして最悪木材が腐ったり瓦が劣化して使いものにならなくなったりする。
逆に定期的に漆喰のメンテしている家は、災害でも被害が出る可能性がかなり低く、長期にわたり長持ちする。
ということです。
たかが漆喰じゃん!って思う人も多いと思います。
ですが、漆喰を侮ってはいけません。
漆喰は瓦屋根にとって非常に大事な箇所なんです。
どう大事か?っというと
漆喰している部分は、絶対に水を侵入させたくない部分に漆喰を使用しています。
言い換えれば、屋根の急所の部分に漆喰している!ということで、適当な工事をすると後で取り返しのつかないことも起こる可能性があるのです。
断言しますが、瓦屋根のメンテナンスで1番大事なのは漆喰の入れ替え
だと言っても過言ではありません。
よく職人によって漆喰はしなくていい工事!と言う人がいますが、それは間違いです。
漆喰は屋根に必要だから存在しているんだ!
長年の経験の中で漆喰でないといけない理由がある
ということなんです。
瓦と漆喰の耐久力は違う
よく勘違いしている人が多いのですが、耐久年数が瓦屋根は30年!とかカラーベストは10年!というから、それぐらいまで何もしなくていい!っと思っている人がいます。
でもこれ、実は間違いなんです。
屋根には瓦の他にも、漆喰や金属など違う素材を部分的に使用しているんだ。
これらは、当然素材によって耐久年数も違います。
要、瓦は30年持ったとしても、漆喰は20年しか持たない!っというようなこともある。
なので屋根のメンテナンスは、1番耐久年数が短い素材を軸にしてする必要があります。
そして瓦屋根で1番耐久年数が短いのは漆喰です。
なので瓦屋根であれば、漆喰するタイミングが瓦の屋根のメンテナンスする時期ということになります。
屋根の漆喰工事を定期的にすれば長期間もつ
もともと瓦屋根は、非常に長期間もつ屋根材です。
一般的に30年とか40年持つ!とか言われていますが、漆喰を入れ直してメンテナンスするだけで、60年でも70年でももつ可能性があります。
漆喰のメンテナンスをしている瓦屋根の家は、災害にも被害が少ないね!
僕は全国各地の台風災害に、ほぼ毎年被災地に出向いています。
その中で、数多くの屋根を見てきて確信的に僕は思うことがあって
瓦屋根で漆喰やメンテナンスしている家は、台風などの災害とは、ほぼ無縁である
ということです。
要は、僕は屋根を大事にしている家の修理を、ほとんどしていないのです。
屋根が崩れたり、瓦がズレたりしている屋根は、ほとんどが何もしていない屋根ということなんですね。
ほんとにびっくりするぐらいメンテしている家の修理がないんだ。
数多くの現場を見てきて、このことは、メンテナンスの重要性を特に思うきっかけとなっています。
話がそれましたが、瓦の屋根は、漆喰を入れてメンテナンスすると災害にも負けない非常に長持ちするということなです。
屋根のメンテナンスについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、よければ合わせて読んでみてください。
屋根漆喰を定期的に入れ替えをしないといけない理由
屋根の漆喰の役割は、大きく分けて2つがあります。
- 漆喰は、中の土を保護している
- 見栄え
詳しく説明していきます。
漆喰は土が流れないように保護している
漆喰は基本的に土を覆うように塗ります。
理由は3つあります。
- 雨風によって土が流されないようにするため
- 中の土が年数で崩れないようにするため
- 地震や災害で中の土が崩れないようにするため
全てに共通することが、土が流されたり崩れたりしないように、漆喰で表面を覆って守るということです。
実際に漆喰で覆うと、かなり効果があって強度が維持できます。
ですが漆喰にもその性能を維持するためには限界があり、古くなると漆喰自体も劣化します。
漆喰が劣化すると土を保護することができなくなるんだ!
漆喰は劣化するとスポンジのように水を吸収してしまう性質があって、雨などの水分を吸収した漆喰は、湿気で中の土を削っていってしまいます。
簡単に言うと、土が泥水になって流れていっちゃうんだね!
土が流れることで、雨漏りなど様々なトラブルが起きてしまいます。
また、漆喰は土が流されると劣化するのも早くなる傾向があるので注意が必要です。
土が流されることで漆喰も剥がれたりして位置が変わってしまうんだ!
漆喰は、大体15年から20年ぐらいで完全に劣化してしまいます。
漆喰を入れ替える理由は、漆喰の劣化によって土が流されるにを防ぐため!ということ!!
要するに
漆喰を入れ替える理由
- 漆喰の劣化で土が流されて瓦がズレたり歪んだりするのを防ぐため
- 土が流されて雨漏りしないようにするため
- 土が流されて木材や瓦自体に影響が及ぶのを防ぐため
上記のことを防ぐために定期的に漆喰を入れ直す!ということなのです。
漆喰を塗ると屋根が綺麗に見える
漆喰を塗る箇所は、ピンポイントですが意外に塗ってみるとアクセントカラーとなって屋根が綺麗に見えます。
綺麗に統一された白色や黒色の漆喰は、誰が見ても美しいと感じてしまうんですね。
漆喰を新しくするだけで、屋根が見違えるように綺麗になるよ!
昔の漆喰(30年以上前)は、こうした見栄えによる漆喰の意味が重視されてきましたが、阪神大震災以降は見栄え以外にも耐久を意識した漆喰に変わっていきました。(近年はセメント配合の漆喰に代わってきている)
とはいえ、屋根は見栄えも非常に重要なので、漆喰は家の外観にも十分に影響を与える箇所となっています。
漆喰を放置していると水分や湿気で瓦が割れたり棟が崩れたりする
漆喰の入れ替えについて説明してきましたが、実際に僕が携わった漆喰工事で、もう少し具体的に解説してみます。
先程も説明しましたが、漆喰は劣化すると水分を吸収します。
漆喰が水を吸収すると、水分で中の土が流されてしまうだ!
その結果、次のようなことが起きます!
- 漆喰に穴が空いて棟の耐久力が下がる
- 台風などの強風で棟が倒れたりズレたりする
漆喰に穴が空く!とか棟がズレる!だけでは、少し想像しにくいと思うので下の画像を見てください。
棟の中は、このように瓦を加工(切ったりしている)したり、頂上部分では隙間が空いていたりします。
棟の土が流されると、このような瓦の隙間が空いている部分から雨水が侵入して雨漏りします。
僕のブログでは何回も言っていますが、雨漏りとは【瓦の裏に水が回る】ことだと言ってきています。
世間の雨漏りと業者の雨漏りの認識は違うんだ!
雨漏りについては、こちらの記事で完全納得できるように詳しく解説しているので、よかったら読んでみてください。
瓦の裏部分は、水を吸うから瓦が劣化しやすいという性質があります。
瓦が水分を長期間吸収していった結果、上の画像のように瓦が薄くなったりして瓦自体の耐久力がなくなってしまいます。
上の画像を見たら漆喰『甘く見たら怖いな!』って思ってしまうよね!
このように漆喰を放置するということは、屋根にとって非常に危険な行為だということなんです。
屋根の漆喰工事は定期的に信頼できる業者に工事してもらうことが大事
屋根の漆喰の重要性について解説してきましたが、漆喰の入れ替えも正しい知識をもった経験ある職人に施工してもらう必要があります。
結局、屋根の工事で失敗しないためには、業者選びが命!!
だということです。
漆喰工事も経験豊富な信頼できる業者に工事してもらうことで、屋根を長期間持たせることができます。
業者の選び方について
屋根の漆喰は、屋根の中でも絶対に水を入れたくない箇所に塗っています。
たかが漆喰と思うかもしれませんが、実は屋根にとって非常に重要な箇所で絶対にメンテナンスしなければいけません。
たかが漆喰されど漆喰!だよ。
最後に漆喰ついておさらいしておきますね!
漆喰まとめ
- 漆喰は瓦よりも早く劣化する
- 漆喰は15年〜20年で劣化する
- 漆喰は家の外観のアクセントカラーになる
- 漆喰を放置すると雨漏りなどのトラブルが起こる
瓦屋根にとって漆喰の入れ替えメンテナンスは、必須事項です。
そしてメンテナンスするためには、信頼できる業者を見つけないといけません。
この記事を読んでいる瓦屋根の人は、ぜひ漆喰のメンテナンスを検討してみてください。