よく屋根に草が生えてる家がありますよね
でもこれ
そのままにしておくと家にとって取り返しのつかない事態になることがあります
これは実際に自分が修理した最もひどい経験をもとに詳しく解説していきます
この記事は何も分からない初心者にも分かりやすく説明するためになるべく専門用語を使わずに解説します
ではいきます
屋根に草が何故生えてくる?
条件としては
- 和型など土をを扱う施工方法の場合に起こる症状
となります
ただし和型瓦を使用をしていても土を使っていない場合は大丈夫です
結論から言うと
- 屋根に草が生える理由は雨などで土が湿り続けている場合になる可能性があります
ここで大事なのは湿り続けていると言うことです
土は水に濡れると湿りますが、すぐに乾きますので草は生えません
ポイント
瓦の土は、地面の土のようにサラサラしているものではなく粘土質のものを使用しています
湿り続けているということは、晴れてる時も雨で濡れた土が乾かないということで、その湿っている部分から草が生えてきます
草が生える箇所は
- 屋根にゴミが溜まっている場所
- 瓦を積んでる棟と呼ばれる場所の状態
の2パターンがあります
屋根にゴミが溜まっている
- 近くに森や真上に高い木があるなど落ち葉や枝などが屋根の形状上、下に落ちずに貯まる場所では落ち葉が腐葉化して土となり、そこに草が生えます
この場合長い年月が経つと、その草の根は瓦の隙間から中に侵入し他の部分に根が延びていき広範囲に草が生えていきます
瓦を積んでる棟(むね)と呼ばれる部分から生える草
そもそも棟とは何か?ですが
棟とはのし瓦を積んでいる部分の総称のことをいいます
下の画像の丸で囲っている部分をむねといい、のし瓦とは、この積んでる瓦1枚1枚をのし瓦といいます
主にこの棟から草が生えるのが一般的ですが、この棟の組み方や棟の状態が原因です
具体的に説明すると
- 劣化によるのし瓦の勾配のズレ
- 漆喰を分厚く塗りすぎ
- のし瓦が2段しか積んでいない
- 瓦用ズレ止めコーキングの間違った施工の仕方
- 棟下の瓦のカットの幅が広い
の5つが挙げられます
少し難しい言葉が出てきたので説明しますね
劣化によるのし瓦のズレ
上記画像のようにのし瓦がズレたりするとのし瓦の勾配が狂ってしまい、棟の中に水が侵入してしまいます
水が棟の中にたくさん侵入することで土が湿り、草が生えるきっかけとなります
漆喰を分厚く塗りすぎ
漆喰を分厚く塗りすぎると、のし瓦から流れる水が棟の中にも侵入し
中の土が湿り草が生える原因となります
のし瓦が2段しか積んでいない
上記の画像を見ても分かりますが、のし瓦が2段しかありません
- 昔は特にニュータウンなど同じような作りの家をたくさん作る時、施工時の効率をあげるために最低限の積みしかしていないのが多かった
のですが、最低限問題はないのですがやはり2段では雨水がよく棟の中に侵入してしまい草が生える原因となります
瓦用ズレ止めコーキングの間違った施工
上記の画像で瓦にシリコンのようなものがついていると思います
このシリコンが瓦用ズレ止めコーキングになります(止め太郎とも言います笑)
- 間違ったやり方で上記の画像のようにコーキングしてしまうと、雨水の通り道が塞がれてしまい中の土が湿ってしまいます
この場合はかなりの雨水によって土が湿ってしまうので高確率で草が生えやすい状態になります
棟下の瓦のカットの幅が広い
上記は棟をバラした状態の画像です
棟下の瓦のカットとは画像のように瓦と瓦の間のことです
この幅が広いと土が湿気やすくなり草が生える原因となります
棟の中の土が湿ってしまうと絶対だめなの?
これまで屋根に草が生える原因は湿気であると言ってきました
では少しでも土が湿ってしまったら駄目なのか?っと思ってしまう人もいると思います
- 答えは、少しぐらい雨水が棟の中に入っても全く問題はない
です 何故かというと
- 大事なのは土がすぐに乾く環境にあるかどうかということだからで、湿ったとしても雨が上がれば乾く棟の状態であれば大丈夫だということです
- 大きな木の真下などかなり環境が悪い場所以外は、普通の棟の状態ならば草が生えることはほとんどなく、草が生えたのならどこかしら棟が湿りやすい状態である判断となります
屋根に草が生えると、どのような事が起きる?
屋根に草が生えたまま放置しておくと
- 雨漏り
- 瓦の劣化
- 瓦の裏の桟木などが腐る
のような症状が現れます
そして私が見た中で最も酷かったのが
- 最終的に屋根がずっと湿りっぱなしで木材が腐って屋根の重さに耐えられず屋根が崩れてしまった
ということです
このことから、屋根に草が生えるのは決して軽視できないということが分かると思います
屋根に草が生えると様々な症状が出てきますが
雨漏りや瓦の劣化は下記の記事で詳しく解説しているのでそちらをご覧ください
- 瓦の裏の桟木(さんぎ)とは瓦をひっかけるために屋根につける木材のことです
この桟木が湿気によって腐っていきます
屋根に草が生えているのを見つけたらどうすればいいの?
ここまで見て屋根に草が生えてることは、最悪屋根が崩れてしまうこともあり得ると理解してもらえたと思います
では実際に草が生えているのを発見したらどーしたらいいでしょうか?
- 屋根診断士に見てもらう
- 屋根職人に見てもらう
の2つがあります
ポイント
屋根のチェックは必ず屋根診断士や瓦職人など屋根の専門の人に見てもらう
ということが大事です
間違っても大工や左官屋やコーキング屋などに見てもらってはいけません
理由としては
知識不足で間違って施工した場合、責任をとってくれないからです
- 決して大工などを批判している訳ではなく、瓦職人が大工より家作りに詳しい訳はなく逆も同じなのです
よかれと思ってした工事が逆効果なんてこともあります
大工なども全くの素人っていう訳ではないですが、やはり細かい施工の部分は知らない事も多いです
なので無駄なリスクを回避するために、上記のどちらかを選びましょう!
まとめると
ここまで屋根に草が生える理由やその危険性を見てきました
大まかにまとめると
- 屋根に草が生える理由は基本的に土の中が濡れて湿っている
- 屋根に草が生える理由は、主に枯葉などのゴミがたまる場合と棟の施工や棟の状態によるものがある
- 草が生える屋根に起こる症状は、雨漏り 瓦の劣化 木材の腐りがある
- 屋根に草が生えているのを見つけたら、すぐに屋根職人や屋根診断士に見てもらう
- 屋根のチェックは必ず屋根の専門の人に依頼する
の5つとなります
これらを踏まえてもし屋根に草が生えてるのを見つけた場合は、すぐに専門の人に見てもらってください
放置しておくと取り返しのつかないことになるかもしれませんよ!