コロニアルがズレていたり割れていたりするのを家のメンテナンス時や、たまたま屋根を見た時に、目視で気づくことがありますが...
もし見つけた場合、不安すぎて慌てて業者に連絡する人結構いると思います。
そして今この記事を読んでいるあなたも、コロニアルのことで心配している一人だと思います。
屋根材が割れていたりすると不安になるよね。
ですが仮に業者にお願いしても、正しい修理方法で直してくれる業者に工事してもらえるとは限らないんです。
実はコロニアルは、近年普及率は高いですが、修理やメンテナンスは全く浸透していないのが現状なんです。
コロニアルは正しい施工方法で修理しないと、すぐに違う箇所が新たに割れたりしてきて、何のために直したのか分からなくなります。
コロニアルは、実は交換が少しめんどくさいから手抜き工事されやすいんだ!
この記事では20年以上、5000件を超える屋根の工事をしてきた僕が、コロニアルの正しい修理の仕方とメンテナンスの重要性について詳しく解説していきます。
この記事を読むと、コロニアルの割れなどを発見して業者に頼んでも間違った修理方法で直されるリスクを完全に無くすことができます。
【結論】コロニアルの修理は部分修理だけしても屋根全体で見るとあまり意味がない
最初に結論を言っておきます。
コロニアルの修理方法は、破損部分だけをコーキング補修するのではなく、必ず新しいコロニアルに交換した上でコーキングを使用しないといけない
なんか普通だな?っと思った人もいるんじゃないかと思います。
ですがこれ、困ったことにコロニアルになると、なぜか当たり前じゃないんですよね。
普通は割れたなら新しい屋根材に変えればいいって思うよね!
でもコロニアルは、なぜか『コーキング』で破損部を埋めるみたいな修理する業者がものすごく多いんです。
なぜか??
それは、コロニアルの施工方法に大きく関係しているからなんです。
コーキングのみで亀裂を埋める工事が多くの業者で正当化されていて勘違いしている人があまりにも多いので言っておきますが、この修理の仕方は、はっきりいって屋根全体で見るとあまり意味がありません。
断言しますがコロニアルの破損は、コーキングだけでは直らないです。
まずは、この事実を理解することがコロニアルの修理やメンテナンスしていく上で失敗しない要素となるので覚えておいてください。
【屋根メンテナンス】コロニアルの修理が破損部分のみではダメな理由
コロニアルのメンテナンスや修理について解説する前にコロニアルについて簡単に説明しますね。
コロニアルとは、実はカラーベストといわれる建材シリーズのうちの1つなのです。
カラーベストというメーカーだと勘違いしている人結構いるよ!
カラーベストは、たくさんのシリーズがあるのですが値段も高いので基本的によく使用しているのは、ほとんどが1番安価なコロニアルになっています。
なので、今回は他のシリーズの説明は省きます。
あと下記でコロニアルについてまとめているので参考までに!
コロニアルについて
- 作っているのは、kmew(ケイミュー)という会社
- 正式名称『コロニアルクァッド』
- 1枚ずつ専用の釘で止めて重ねていく施工方法
- コロニアルの表面は、塗装で仕上げている
- 値段はカラーベストの中で最安値
- 色は一般的に黒と茶色がほとんどだが、全部で12種類ある
- 近年、一般住宅で最も使用されている屋根材
- 全国での普及率が高いので扱える職人も多く、大工や塗装業者も施工する場合がある
- 屋根全体のメンテナンスは基本塗装
コロニアルは新築などで急速に普及していっていますが、それは言い換えれば安いから普及しているといっても過言ではありません。
メンテナンスの頻度も当然1番短いので、その辺を考慮しないといけない屋根材となります。
コロニアルのコーキングによる部分修理がいけない理由
コロニアルは、その施工方法からどうしてもコーキングで埋めるだけの工事になりやすいです。
特にコロニアルの塗装では破損部分をコーキングでなぞるだけの業者が非常に多いです。
これは職人の気質によるものが大きいですが、それにしても非常に多い...
なぜ、破損コロニアルをコーキングだけで修理してはいけないのか?ですが、細かい理由はありますが、大きく分けると4つの理由があります。
コロニアルのコーキング修理について
- 破損しているコロニアルは、違う箇所もヒビが入っている可能性もある
- コーキングにより水の流れが変わる可能性がある
- 破損枚数が多くなると、屋根自体の耐久力に問題がでてきて、強風で飛ぶ可能性がある
- 重なっている部分は補修することができない
要は、1枚のコロニアルが破損している箇所をコーキングで埋めたとしても、そのコロニアル自体に問題がある可能性が高いということなのです。
例えば、コロニアルが重なっている部分の割れや亀裂なんかは、コーキングで補修できません。
亀裂をコーキングで埋めていっても、途中から埋めれない!(重なり部分は補修できない)みたいな感じになってしまいます。
このように、その箇所だけをコーキングで修理しても問題の解決になっていない!ということなのです。
直したつもりでも厳密にいうと直っていない!っということなので、お客さんは、日にちが経つとまた修理しないといけない...という状態になるんですね。
コロニアルのメンテナンスをする理由
次にコロニアルをメンテナンスする理由について解説していきますs。
理由を説明する前に1つ言っておきますが
コロニアルに限らず全ての屋根材にメンテナンスは必須なので、そこは理解しておく必要があります。
今回は、コロニアルだけに絞った理由を解説します。
屋根のメンテナンスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてください。
では説明していきますが、メンテナンスをする理由は、主に5つあります。
メンテナンス理由
- 単純にコロニアルを止めている釘が緩くなってくるから
- 塗膜の劣化でコロニアル本体に水が染み込んで雨漏りするから
- 塗膜の劣化でコロニアルに亀裂が入り、割れる原因になるから
- すでに何らかの理由で破損している屋根材がある可能性があるから
- 災害で飛ばされないように、屋根全箇所の確認と重要部分の強化
どの屋根材でもメンテナンスは必須ですが、コロニアルに関しては、その期間が少し短いのが特徴です。
コロニアルは薄い建材で割れやすいからね...
また表面を塗装で仕上げているから、塗装(塗膜)が劣化すると一気に屋根材が痛んできます。
このことから上記の理由で定期的にメンテナンスする必要があります。
釘の緩みについて
釘の緩みは、近年問題となっていて、コロニアルが抜け落ちる案件が全国で急増しています。
原因としては以下のことがあげられます。
コロニアルが抜け落ちる原因
- 釘が年数や水分などで錆びて抜けたり折れたりする
- 地震や台風などで負荷がかかり、釘などが抜ける
- 棟部分の釘の施工が甘く、棟板金が落ちる
- もともと下地が丈夫でない箇所に釘を打っている
- 本来は一枚4本の釘を打つ必要があるが、本数を減らしている
- 棟付近や、小さく加工したコロニアルをコーキングで接着せず、そのままにしている
単に施工不良の場合が多いのですが、中には年数の経過による劣化で釘などが抜ける場合もあります。
近年強い台風など災害級の自然災害が多く発生してるから屋根にも負荷がかかってて釘にも影響でているんだろうね!
見た目では、緩みがあるのを判断するのは難しいので、定期的なメンテナンスが必須となっています。
塗膜の劣化によるコロニアルの破損
コロニアルは、表面を塗装で仕上げているのでメンテナンス方法は塗装が一般的となっています。
塗装することで屋根材の表面に塗膜が形成されるんだ!
主な塗膜の役割としては、防水に紫外線や熱などから屋根材を保護する働きがあります。
雨漏りとは、屋根材の裏に水が回ることを言い、塗膜が劣化すると雨漏りの原因にもなってきます。
ちなみに屋根の雨漏りについては別の記事でもっと詳しく解説しているので、こちらを読んでみてください。
コロニアルは、定期的に屋根塗装する必要がある屋根材!です。
屋根塗装がコロニアルのメンテナンスの基本だよ!
屋根塗装する頻度についてですが、10年から最長20年までには塗装しないと屋根材の劣化具合によっては、あまり意味のない工事になってしまう可能性があるので注意が必要です。
コロニアルが何らかの理由で破損しているかを確認するためのタイミング
メンテナンスの頻度が10年ぐらいから!っといってもそれなりの時間が経過していますよね。
その間、見えない箇所が台風などによって破損したりしているかもしれません。
破損箇所をいつ確認すればいいの?と思う方もいると思いますが、基本的に何か起こった後がタイミングとしては1番現実的です。
例えば台風とかゲリラ豪雨とか雹とかの自然災害にあった時だね!
近年、自然災害は威力も強大なので災害が終わった後にメンテナンスや確認をすることは、かなり効果的な対策になります。
災害でコロニアルが飛ばされないように屋根の確認と重要部分の強化
前の内容と少し似ていますが、この場合は災害が来る前に行うメンテナンスになります。
個人的に災害前にメンテナンスする人は、家のことを非常に大事にしている人が多い印象だね!
メンテナンス箇所としては、特に棟部分の緩みを念入りにチェックします。
台風などの強風で、コロニアル意外にも棟板金が剥がれるトラブルも非常に多いからです。
また、棟部分は屋根の頂上になるので棟板金が飛ぶと、屋根のてっぺんから雨漏りのリスクを負うことになるので、メンテナンスの重要度は高いです。
【カラーベスト】コロニアルの修理やメンテナンスの仕方を解説
より分かりやすく解説するために今回は、僕が実際に工事した現場を例にコロニアルの修理やメンテナンスの仕方を解説します。
コロニアルは数えきれないほど修理してきたね!
このようにコロニアルが割れている家は、実は結構多いです。
10年以上経っているならかなりの確率で1枚以上は割れていたり亀裂があったりするね!
この家は、大きく分けて3段階の工程で工事をしました。
- コロニアルの割れや破損しているの部材を見つけて新しいコロニアルや部材に交換する
- コロニアルの棟部分の強度も確認する
- コロニアルの塗膜の劣化や棟部分が錆び付いているかを確認してから屋根塗装
1つずつ説明していきますね。
コロニアルの破損を見つけて新しい屋根材に交換する
まず、動いたり抜けたりするコロニアルがないか全てのコロニアルを触ってみて確認していきます。
割れや亀裂があるコロニアルも一緒に確認しているよ!
確認していく中で、怪しいコロニアルや破損コロニアルは、全て専用の道具で釘を切ってコロニアルを引き抜きます。
その後、新しいコロニアルの裏にコーキングをつけて差し込みます。
この工程を繰り返していきます。
重要ポイント
結論でも言いましたが、コロニアルの破損は必ずコロニアル本体ごと交換しないといけません。
絶対してはいけない工事が、破損部分のみのコーキング!
新しいコロニアルの交換方法は、引き抜いた箇所は釘を打つことが出来ないので、新しいコロニアルにコーキングをつけて差し込みます。
破損している箇所が棟付近であれば、棟付近をバラしてから新しいコロニアルを貼ることもあります。
コロニアルの交換は結構難しいんだよね!
もし何らかの理由で亀裂などをコーキングで埋める場合、ブリキ板(金属板)を少し長めに切って亀裂部分に差し込んでからコーキング工事なら問題ありません。
コロニアルの棟部分の強度を確認
コロニアルの棟部分はトラブルが起こる代表的な箇所なので、よく確認する必要があります。
実際に確認するのは、以下の2つです。
確認ポイント
- 棟部分に打ち込んでいる釘やビスが緩くなっていないか目視で確認
- 確認が終わると、実際に棟部分を触ってみて、棟が動くかどうかの確認
棟が触って動く場合は、中の木部も緩んでる可能性があるので棟板金を取って木部を新しく付け替えます。
コロニアルの塗膜劣化や棟部分が錆び付いていないか確認
コロニアルは、表面が塗装で仕上げられている建材です。
コロニアル以外にも棟板金なんかも塗装で仕上げられているんだ!
塗装をすることで【塗膜】が表面状に形成されます。
この塗膜が屋根材の劣化を予防してくれるので、塗膜は非常に重要な役割なのです。
とはいえ塗膜も年数が経つと劣化するんだ!
塗膜は、主に紫外線や熱に湿気などにより年数をかけて劣化していきます。
塗装頻度は、大体10年〜15年ぐらいが目安かな。
コロニアルを塗装するためには、いくつかの注意点があるので、いきなり何も知らないで依頼するのは正直お勧めしません。
特に以下のことを意識しないと屋根塗装は失敗する可能性があるので、注意が必要ですよ。
- 塗装についての知識を知る
- コロニアルの塗装についての知識や施工内容を知る
- 信頼できる業者に屋根塗装してもらう
屋根塗装については、もっと詳しく解説している記事があるので、こちらも一緒に読んでみてください。
屋根塗装、屋根修理も全てに言えることなのですが、屋根の工事は業者選びが全てだといっても過言ではありません。
信頼できる業者に工事を依頼するのが1番間違いがないのですが、そもそも信頼できる業者なんてどうやって探せばいいのか分かりませんよね?
大丈夫です!
20年以上、屋根を工事してきた経験から最も信用できる業者の探し方をこちらの記事で紹介しているので、業者探しで悩んだら読んでみてください。
コロニアルはまだまだ正しいメンテナンスや補修がされていない
僕は20年以上、屋根職人としてコロニアルの修理やメンテナンスを数多く工事してきました。
数多くのコロニアルを触ってきたからこそ思うこともあります。
コロニアルは圧倒的に簡単に修理されやすい建材
割れや亀裂が入っていたら、コーキングでなぞるだけでいい!みたいな感じの業者が非常に多いからです。
でも亀裂は、見えない重なり部分まで広がってる可能性もありますし、僕的にこれで直りました!とはお世辞にも言えないのですよね。
僕のブログでは何回も言っていますが、雨漏りは屋根材の裏を雨水が流れることをいいます。
コロニアルの修理やメンテは業者の資質が問われている!
修理やメンテナンスがめんどくさい建材なので、どうしても楽な直し方をしてしまう業者が多いのが実情なのです。
最後にコロニアルについて簡単にまとめてみると
コロニアルまとめ
- 破損コロニアルは、必ず新しいコロニアルに交換
- どうしても新しいコロニアルに交換できない場合は、薄い金属板を破損部に差し込んでからコーキング
- メンテナンスは、主に屋根材と棟の強度と耐久性を確認する
- 屋根塗装は、コロニアルの長期維持する上で必須工事
コロニアルの屋根は非常に普及率が高く、今や見渡すと必ず発見できるぐらいの屋根材ですが、修理方法やメンテナンスの仕方を知らない人が大多数です。
いざ自分の家が、『割れた箇所をコーキングで埋めときました!』みたいな工事される可能性も全然ありえるので注意ですよ!
コロニアルはぶっちゃけ正しい補修の仕方がめんどくさいから適当になりやすい!
ここまで記事を読まれたあなたなら業者に『割れているコロニアルは、新しいものに交換してくれるよね?』っと言えるはずです。
コロニアルについて少しでも理解するだけで屋根の劣化スピードが全然違ってくるので覚えておいてください。